多大なる被害に遭遇されている、熊本県・大分県にお住まいの皆様。
数多くの方々が、今なお、非常に大変な避難生活を強いられていると思います。
あの信じられない大きな地震から5日。
今現在、このブログを書いている間も熊本・大分で震度5強の余震がありました。
これ以上、被害が拡大しないことを心から強く願うばかりです。
慣れない環境、ストレス、偏った食事、食物繊維不足、睡眠不足、水分不足、トレイの環境など多くの条件が重なり、便秘や腹部のハリに苦しむ方々も非常に多いと思います。
たかが便秘。
されど便秘。
便秘が心身にもたらす影響は非常に深刻です。
出来ることから取り組んでいただけると、きっと今後の体調管理にプラスにはたらきます。
避難所でも出来る簡単な便秘対策についてまとめました。
1人でも多くの方に参考にして頂けると幸いです。
<避難先でも出来る!便秘対策>
①まず、水分補給をこまめに!
水分がまず、無事に供給されていることを強く願い、書かせて頂きます。
・特に、寝起きにコップ1杯程度のお水を一気に飲むことで、「胃・結腸反応」がおこり便意をもよおしやすくなります。
簡単にいうと、水が入ることで空っぽになった胃が重くなり、大腸を刺激して腸の蠕動運動のスイッチを入れるということです。
また、朝は副交感神経から交感神経へ切り替わる時間帯。
この時に胃腸を動かすことで、自律神経のバランスを整えることに繋がり心身の不調を防ぐことに繋がります。
・こまめに1日1.5~2ℓの常温のお水を飲むこと。
人間の身体は60~70%は水分で出来ています。その水分は生命を維持する為に大切な役割を担っています。
トレイが整備されていない、人が多くてトレイが使いにくいなど問題も数多くあると思いますが…。
意識的に水分を控えている方も多いと思いますが、常温のお水をこまめに摂取することで、便秘だけでなく脱水症や肺塞栓症も防ぐことが出来ます。
②「股割り」が効果的
便秘になる原因の1つに、避難所の仮設トイレのほとんどが和式トイレであることから、しゃがみこむ動作がなかなかうまくできない高齢者の方や、普段洋式トイレしか使ったことのない子どもなど、ついトイレを我慢してしまう傾向がみられます。
意識的に股関節周囲の可動域を広げるよう、こまめに「股割り」を行ってください。
外肛門括約筋をはじめ、腹筋など下半身全体を鍛えることができるのが、いわゆる「股割り」といわれる運動。
・足を大きく開いて立ち、膝を出来るだけ深く曲げて、股関節を十分のばす感覚で膝を落とします
・太ももに肘をのせるような体勢で、股関節周りの筋肉をストレッチします
(身体が固い人は、太ももに手の平を置くとやりやすいです)
・左右10秒ほどキープ
リズムある活動は腸の蠕動運動を促すことにつながります。
③便意は我慢しない!
便秘対策として一番大切なのは、便意をもよおしたら我慢しないでトイレに行くことです。
災害時に便秘に苦しむ方々の多くは、排便環境の変化による排便習慣の乱れで、直腸に便が貯留する「直腸性便秘」。
そして、過度のストレスにより腸管が緊張することによりおこる「痙攣性便秘」です。
便意を少しでも感じたらトイレへ!
④排便習慣をつける
毎日、同じ時間にトイレに座る習慣を心がけてください。でなくても、座ってみる。
5分を目安にトイレに座ってみてください。自分は一日の中でどのタイミングで便がでやすいのか把握することが大切です。
決して長時間いきみすぎないでください。
いきみすぎは、痔の誘発や、脳卒中のリスクを高めるなど様々なリスクがあります。
⑤簡単!腸マッサージ
・布団や毛布に仰向けになって寝る
・両手の人差し指、中指、薬指を伸ばす
・指の腹で、へその周りの指の腹2つ分外側を「の」の字にゆっくり押していく 。
(右の下腹部から右のみぞおち、左のみぞおち、左の下腹部、おへその下という風に、時計回りに少しずつ、ちょっと圧迫を感じるくらいに押してみましょう)
これを朝起きたときや寝る前にすると、腸の動きがよくなります。手にいれることができるのであれば、ベビーオイルなどを手のひらで温めて、じんわりマッサージしてください。
☆優しくお腹を触ることでリラックスすることに繋がります。
決して強く押さず、ゆっくり呼吸をしながらお腹をマッサージしてみてください。
お腹を触ることで、副交感神経が優位になり、腸の蠕動運動を促すことに繋がります。
(ただし、痛みがある時には腸マッサージは控えてください)
⑥意識的に深呼吸
ストレスに晒された時、筋肉の緊張とともに、人は呼吸が浅くなります。
交感神経が優位な状態が続くことで、腸の働きも悪くなります。
意識的に腹式呼吸をすることにより、腸の刺激となり腸は動き始めます。
呼吸で意識的にリラックスすることにスイッチを入れること。
腸はリラックスした副交感神経が優位な時に動きますので、意識して呼吸法で心身をリラックスさせてくださいね。
☆効果的な呼吸方法
1)お腹に手を当てて、5秒かけて鼻から息を吸います(お腹を膨らますイメージで)
2)10秒かけて口からゆっくり息を吐き出します(お腹をゆっくり凹ませるイメージで)
この、「1:2の呼吸法」を1日3分間を目安に行うことでかなりの確率で便秘を改善することが報告されています。
意識的に腹式呼吸を行うことで、心身のリラックスに繋がり全身の血流も良くなり身体全体を温めることが出来ます。
⑦こまめに身体を動かす
可能であれば、避難所の周りを歩いてみる。
その場で足踏みや、身体をひねる運動でも、腸に刺激を与えることができます。
どうしても避難所では同じ姿勢で身体がこわばっていると思いますので、意識的に身体を伸ばす、ストレッチ等を行ってください。
ある程度体が疲れるようにすると、眠りにもつきやすくなります。
⑧困った時こそ!考える人のポーズ
トイレに座ってもなかなか出ないなぁ…。
そんな時には「考える人」のポーズが効果的です。
・トイレに座ったまま、上体を前に倒して身体をひねります。
(肛門括約筋にひねりの刺激を与えることで、溜まった便を直腸から下ろすことにつながります)
・上体を軽く前に倒し、腕を太ももにのせるような体勢から、身体をゆっくり左右にひねります。肛門に刺激が加わるのを意識して行ってみてください。
この体勢をとってみて、それでも出なければ、またタイミングを図る。
決して長時間、りきむことは避けてくださいね。
加えて。
小児科で勤務していると非常に多くみかけるのが、赤ちゃんの皮膚のただれです。
なかなかお風呂に入れず服もずっと着替えていないような場合は、皮膚(特に、おしりなど)が赤くただれてしまいます。
軟膏などの医療処置をうけることは困難だと思いますので、可能であれば、排便後(特に下痢をおこしている子供)に、水で少し洗い流してください。
その後、しっかり乾かすこと。
お尻拭きやウェットティッシュ拭き取れない便の残骸が、皮膚の炎症を引き起こします。
赤ちゃんの便秘には、ベビーオイルをつけた綿棒で肛門を刺激してみてください。
子供の便秘も対策としては基本、上記同様です。
子供は大人よりも過敏で、環境の変化により便秘になりやすいです。
お母さんの優しい手で、温かい手で、腹部をマッサージしてあげてくださいね。
ただでさえ大変な避難生活。
その過酷さは私達の想像をはるかに超えていると思います。
避難先で苦しい生活をされている方のお一人でも、便秘から救うことができますように…。
ようやく各地から物資が届き始めている模様ですが、陸の孤島と化した小さな避難所、ニューズでもとりあげられないような小さな避難所にまで、1人でも多くの方々に物資がいきわたることを祈っています。
福岡市でも、高島市長の呼びかけにより昨日から支援物資の受付が始まりました。
どうか無事に届きます様に…。
祈りを託すのみです。
オムツや生理用品、トイレットペーパーなど6品目に限られていますが。
続々と集まり続ける物資を目の当たりにして、熊本県民の私は胸にこみあげてくるものがありました。
兄家族が南阿蘇で被災しています。
なんとか自宅の崩壊は逃れたものの、余震の脅威を身近に感じながらの復旧作業。
4月といえども、夜間は気温がかなり低い高地で車の中で毛布にくるまりながら眠れぬ夜を過ごしています。
深刻な水や食料不足に加え、下水管の損傷が激しく、衛生的な問題も非常に深刻です。
過度のストレスと慢性的な睡眠不足、気温差の激しい気象条件による自律神経の乱れなど。
これから体調を崩される方々が続出することは間違いありません。
今の私達に出来ることは、混乱せずに、情報を正しく把握して行動すること。
祈りを、物資援助や現金援助などに託すこと。
そして、いざ自分が被災した時にどう行動すべきか冷静に考えること。
善意が時として混乱を招くことに繋がります。
今の自分に出来る精一杯のことで、援助をこころがけていきたいですね。
美腸リンパナース 岩永沙織
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